薬剤師国家試験【病態・薬物治療】徹底攻略ガイド
第111回薬剤師国家試験の傾向とメディセレ自己採点システムの結果をもとに、今後の試験で高得点を狙うための戦略をまとめました。
病態・薬物治療は、重要8疾患の理解が得点に直結する科目です。
一方で、近年は単一疾患だけでなく、複数の疾患を併発した症例問題や、薬理と連動した問題も増えています。
この記事では、第111回の出題傾向をふまえて、第112回に向けた勉強方針を整理していきます。
この記事を読むための時間:5分
第111回薬剤師国家試験 病態・薬物治療の平均点
メディセレ自己採点システム(2026年3月25日時点)による平均点は以下の通りです。
| 必須問題(15問) | 一般:理論問題(15問) | 一般:実践問題(10問) |
| 12.5点 | 9.7点 | 6.6点 |
第111回、どんな問題が出たの?
重要8疾患が出題の中心
第111回では、重要8疾患が出題の核心でした。
- 必須問題15問中10問
- 理論問題15問中9問
- 実践問題10セット中5セット
が、重要8疾患に関連して出題されました。
この分野の理解度が、そのまま得点に直結した回だったといえます。
必須問題
必須問題は、過去問で頻出の知識を活用して解ける問題が多く、昨年に比べて難易度は低下しました。
ただし、問58「僧帽弁閉鎖不全症」、問60「急性腎炎症候群」は初出題であり、やや戸惑った受験生もいたと考えられます。
一般:理論問題
理論問題は昨年とほぼ同等の難易度でしたが、初出題が複数見られました。
たとえば、問191の症例問題では、抗チログロブリン抗体から橋本病を想起しやすい構成でしたが、症状や所見を総合するとバセドウ病と判断できる内容でした。
このように、単一のキーワードに頼らず、複数の情報を総合して判断する力が問われています。
また、薬理との連問は4題で、前回の3題より増加していました。
一般:実践問題
実践問題では初出題は少なかったものの、複数の疾患を併発した症例を扱う内容が昨年より増加していました。
また、問298「過活動膀胱」の病態問題は初出題でした。
今回の初出題テーマ
- 必須:問58「僧帽弁閉鎖不全症」、問60「急性腎炎症候群」
- 理論:問185「尿潜血を伴わないタンパク尿の疾患」、問187「アルコール依存症」、問189「シェーグレン症候群」、問192「TNM分類」
- 実践:問298「過活動膀胱の病態」
出題の4つの特徴
1. 重要8疾患が出題の軸
がん・高血圧・糖尿病・心疾患・脳血管障害・精神神経疾患・免疫アレルギー疾患・感染症の8疾患が、全区分を通じて出題の中心でした。
この理解度が得点を左右します。
2. 「禁忌薬」問題が3年連続出題
「●●の患者に投与禁忌な薬物はどれか」という形式の問題が3年連続で出題されています。
そのため、疾患ごとに避けるべき薬剤を体系的に整理しておく必要があります。
3. 複数疾患を併発した症例問題が増加
単一疾患ではなく、複数の病態を抱える患者の症例問題が増えています。
知識を個別に覚えるだけでなく、横断して考える力が求められます。
4. 薬理との連問が増加
薬理との連問は前回の3題から4題へ増加しました。
病態・薬物治療の知識だけでなく、薬理の知識も連動して問われるため、科目横断の理解が不可欠です。
合格点を超える勉強戦略
① 重要8疾患を「病態 → 症状 → 検査 → 治療薬」で整理する
各疾患について、
- 病態
- 症状
- 特徴的な検査所見
- 第一選択薬
- 禁忌薬
をひとまとまりで理解することが重要です。
疾患をストーリーとして理解することで、初見の症例問題にも対応しやすくなります。
② 禁忌・慎重投与リストを疾患別に整理する
3年連続で出題されている禁忌薬問題は、今後も出題が続く可能性が高いテーマです。
そのため、
- 腎機能低下患者
- 肝機能低下患者
- 心機能低下患者
など、患者背景ごとに禁忌薬や慎重投与薬を一覧化しておくと効果的です。
③ 単一キーワードに頼らず、総合的に判断する練習をする
問191のように、一見わかりやすいキーワードが「ひっかけ」になる問題もあります。
症状・検査所見・患者背景を複数組み合わせて、正確に判断する訓練が必要です。
④ 薬理と連動させた学習を意識する
連問は第112回でも継続、あるいは増加する可能性があります。
薬の作用機序と疾患への適用、禁忌となる理由までをセットで理解しておくと、どちらの切り口で問われても対応しやすくなります。
注意したいポイント
単一疾患の暗記だけでは通用しにくくなっています。
近年は、複数疾患を抱える症例問題が増加傾向にあります。
そのため、
「この疾患にはこの薬」
という一対一の暗記ではなく、患者の状態や背景全体を見て考える、複合的な思考力を鍛えることが大切です。
いつ・何を勉強する?
病態・薬物治療は出題範囲が広く、臨床的な思考力まで問われるため、早めに着手して理解を積み上げていく必要があります。
〜9月末
- 重要8疾患について「病態 → 症状 → 検査所見 → 治療薬」の流れを参考書レベルで整理する
- 薬理との連動も意識しながら基礎固めを行う
- 過去問演習も並行して始めておく
10月〜11月
- 過去問演習を本格化する
- 解けなかった問題だけでなく、解けた問題も「なぜ正解か」を言語化する
- 出題パターン把握のため、最低でも直近5年分は解く
12月〜1月
- 複合症例問題への対応練習を重点的に行う
- 実践問題を解き、患者の検査値・症状・処方薬から必要な情報を読み取る練習を重ねる
- 重要8疾患の周辺知識も補完する
直前期
- 頻出ポイントの最終確認
- 弱点疾患の重点復習
- 受験した模擬試験を見直し、新傾向も再確認しておく
今日からできる3つのアクション
- 重要8疾患の1つを選び、「病態 → 検査所見 → 治療薬 → 禁忌薬」を紙に書いてまとめてみる
- 直近の過去問を1題解き、「なぜその選択肢が正解か」を声に出して説明してみる
- 「腎機能低下患者に禁忌な薬」「肝機能低下患者に禁忌な薬」をリストアップしてみる
まとめ
病態・薬物治療は、暗記科目ではなく思考科目です。
重要8疾患を軸に、深く・広く・実務的な視点で学ぶことが、第112回薬剤師国家試験での高得点につながります。

