薬剤師国家試験【実務】徹底攻略ガイド
第111回薬剤師国家試験の傾向とメディセレ自己採点システムの結果をもとに、今後の試験で高得点を狙うための戦略をまとめました。
実務は、多科目の知識を実際の患者対応や業務場面で使いこなす力が問われる科目です。
過去問ベースの出題も多い一方で、近年は新傾向問題や長文読解を要する複合実務も増えており、知識の暗記だけでは対応しにくくなっています。
この記事では、第111回の出題傾向をふまえて、第112回に向けた勉強方針を整理していきます。
この記事を読むための時間:5分
第111回薬剤師国家試験 実務の平均点
メディセレ自己採点システム(2026年3月25日時点)による平均点は以下の通りです。
| 必須問題(10問) | 一般:実務単独(20問) | 一般:複合実務(65問) |
| 6.9点 | 11.1点 | 45.0点 |
第111回、どんな問題が出たの?
必須問題
必須問題は昨年より易しく、過去問で既出の内容が多く出題されました。
問83は104回の改変、問85・87・89はそれぞれ過去問の選択肢の一つがそのまま問われる形式でした。
このことからも、過去問の選択肢一つひとつを丁寧に学習することの有効性が強く感じられる回でした。
一般:実務単独
実務単独では、新傾向の問題が複数出題されました。
- 問328「小児のたばこ誤飲の対応」
- 問339「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」
- 問344「アルコール依存症治療」
一方で、以下のような問題は過去問類似問題であり、過去問学習の有効性も確認できました。
- 問327「注射剤調剤」
- 問334「高カロリー輸液」
- 問337「注射剤の配合変化」
- 問338「エピペンの服薬指導」
また、問345「治験コーディネーター」は、科目の垣根を超えた出題でした。
一般:複合実務
複合実務は一部に難解な問題もありましたが、簡単な問題も含まれており、全体としては平年並みの難易度でした。
出題内容としては、
- 患者への服薬指導、生活指導、情報提供
- 医師への薬剤選択提案
- 患者情報(検査値・処方薬)の読み取り
- 他の科目に関連した知識の活用
など、幅広い内容が問われました。
出題の3つの特徴
1. 過去問の「選択肢単位」の改変出題が増加
問題全体ではなく、過去問の選択肢の1つがそのまま問われるパターンが増えています。
そのため、過去問を問題単位で覚えるのではなく、選択肢1つひとつを丁寧に理解することが高得点への鍵になります。
2. 複合実務では多科目の知識を総合的に活用する力が必要
患者背景・検査値・処方薬から必要な情報を読み取り、服薬指導・処方提案・副作用予測などに応用する問題が増えています。
薬理・病態・薬物治療・薬剤などの知識を、実務の場面で使いこなす力が求められます。
3. 長文の読解力が得点を左右する
複合実務では、長文の問題設定から必要な要素を見つける読解力が重要です。
患者の訴えや症状から疾患・副作用を予測したり、検査値の異常を読み取ったりするなど、情報処理能力が問われます。
合格点を超える勉強戦略
① 過去問は「選択肢単位」で丁寧に学習する
問題全体の正誤だけでなく、各選択肢がなぜ正しいのか、なぜ誤りなのかを説明できるレベルまで理解することが重要です。
誤りの選択肢についても、「どこが、なぜ誤りか」を整理しておくことで、出題パターンが変わっても対応しやすくなります。
② 薬理・病態・薬物治療・薬剤とつなげて学習する
医薬品1つに対して、
- 適応症
- 副作用
- 併用禁忌
- 服薬指導のポイント
を多方面からセットで整理することが大切です。
複合実務の問題設定に合わせて知識を使いこなす力が、得点に直結します。
③ 複合実務は「情報読み取り」の練習を繰り返す
複合実務の過去問を解くときは、ただ答え合わせをするだけでなく、
- 処方薬の適応症
- 代表的な副作用
- 服薬指導のポイント
- 検査値の正常・異常
- 患者の訴えから考えられる疾患や副作用
を意識して読み取る練習を繰り返すことが重要です。
④ 新傾向は模擬試験で補う
新薬、新しい製剤、新たな治療概念など、過去問だけでは対応できない内容については、予備校の模擬試験を活用して最新情報を取り込む習慣をつけましょう。
注意したいポイント
実務は「多科目の知識の集大成」です。
実務単独・複合実務のどちらも、薬理・病態・薬物治療・薬剤の知識なしでは得点しにくい構造になっています。
そのため、9〜10月までに実務以外の科目の知識をしっかり固めることが、実務の得点アップに最も直結します。
いつ・何を勉強する?
実務は多科目の知識が土台になるため、まず実務以外の科目を固め、そのうえで実務特有の内容を上乗せしていくスケジュールが効果的です。
〜9月末
- 実務以外の科目、特に薬理・病態・薬物治療・薬剤の知識定着を図る
- これらは実務とのつながりが深く、確実な知識定着が実務の得点に直結する
10月〜12月
- 実務単独の内容(調剤・服薬指導・チーム医療・輸液・消毒薬など)を参考書で理解する
- 参考書で理解したらすぐに過去問を解く
- 並行して複合実務の過去問(直近5年分以上)を解き、情報を読み取る練習を重ねる
1月
- 受験した模擬試験を活用して、初見に近い問題でも、解答に必要な情報を読み取れるよう練習する
- 新傾向への対応力を模試で補う
直前期
- 頻出テーマの要点チェック
- 知識の抜け漏れ確認
- 薬理・病態・薬物治療など、他科目の要点チェックも合わせて行う
今日からできる3つのアクション
- 過去問の必須問題を1問解き、各選択肢が正しい理由・誤りの理由を声に出して説明してみる
- 1つの医薬品(例:ワルファリン)を選び、適応症・副作用・相互作用・服薬指導のポイントを紙にまとめてみる
- 複合実務の過去問を1セット解き、問題文から「患者の状態」「処方薬の目的」「注意すべき副作用」を書き出す練習をしてみる
まとめ
実務は、薬剤師としての総合力を問う科目です。
他科目の知識を土台にしながら、情報を読み取って活用する力を磨くことが、第112回薬剤師国家試験での得点アップにつながります。
