第112回 薬剤師国家試験 対策
化学
徹底攻略ガイド
第111回薬剤師国家試験の傾向とメディセレ自己採点システムの結果をもとに、今後の試験で高得点を狙うための戦略をまとめました
第111回薬剤師国家試験 化学 平均点(自己採点システムより)
📋
必須問題
化学(5問)
3.5点
★
📖
一般・理論
化学(10問)
4.0点
★★★
🏥
一般・実践
化学のみ(5問)
1.6点
★★★
【難易度】
★ 易
★★ 普通
★★★ 難
⚠️ 実践問題は5問中3問が正答率30%未満
一般・実践問題は例年と比較してもかなり難易度が高く、平均点は1.6点(5点満点)にとどまりました。過去問をただ解くだけでは通用しない、応用力が問われる問題が多く出題されました。
必須問題は一酸化窒素のルイス構造・E配置の化合物・芳香族性・クマリン骨格など王道テーマが中心で、比較的解答しやすい内容でした。問6「ベシル酸(ベンゼンスルホン酸)の構造」は初出題であり、ほとんどの受験生が未学習でした。
理論問題は例年より難易度が高く、幅広い知識に加えて各テーマの深い理解を必要とする問題が多数出題されました。問101「インドールの求電子置換反応の配向性(3位)」は初出題。問102は紛らわしい選択肢が並ぶ高難度の問題、問106はレニン阻害薬アリスキレンの構造をもとに医薬品と標的分子の相互作用の知識まで問う新傾向の問題でした。問110では生薬末の顕微鏡写真から生薬を特定する問題が出題され、非常に高い難易度でした。
実践問題では、医薬品の基本骨格や作用機序の暗記だけでなく、有機反応への応用力や他科目(特に衛生や薬剤)との知識の連携まで求められる内容となっていました。
✏️ 今回の注目問題
問106「レニン阻害薬アリスキレンの構造と標的分子の相互作用」、問208「オメプラゾール(従来と異なる切り口)」、問211「セリンプロテアーゼとビルダグリプチンの反応部位」、問213「ロラタジンのCYPによる代謝と副生成物の特定」
1
「問い方のひねり」が増加——単純暗記では通用しない王道テーマからの出題でも、切り口を変えて深い理解を問う問題が増加。過去問の正誤確認だけでは対応できず、「なぜそうなるか」まで説明できる理解が必要。
2
医薬品の性質・作用が細かく問われる問106・211・213のように、医薬品の構造を起点に作用機序・反応性・代謝過程まで横断的に問う問題が出現。化学の知識を衛生・薬理・薬剤の知識と結びつける科目横断の理解が求められる。
3
生薬・写真問題など新形式も登場問110では顕微鏡写真と問題文の両方から生薬末を特定する問題が出題。従来の化学の枠を超えた出題形式で、幅広い対応力が求められる。
化学は「王道を確実に取る力」を最優先にしつつ、その上で応用力を積み上げていく3段階の学習が効果的です。
①
まず王道テーマを確実に取り切る王道テーマ(酸塩基・立体化学・芳香族性・骨格名・基礎的な有機反応)は絶対に落とさない。ここを固めることが最初のステップ。
②
過去問演習は「説明できる」まで掘り下げる正誤確認で終わらせず、生成物の作り方・反応機構・反応性・配向性など「なぜそうなるか」まで説明できる状態にする。参考書で理解したらすぐ問題を解き、知識の使い方を身に付けることが重要。
③
医薬品化学は「既出医薬品の深い理解」を優先する新傾向問題も出るが、まず過去に出題のある医薬品を深く理解することが先決。骨格や官能基の性質・作用機序と有機反応の関わり・プロドラッグの活性化反応の機構まで掘り下げて整理する。衛生・薬理・薬剤科目との知識連携も意識する。
④
新傾向問題は「正解を狙わず失点を防ぐ」発想で問110のような高難度の新傾向問題は、全受験生が苦手とする問題。正解を狙うよりも、他の取れる問題を確実に取ることで相対的に有利になる。
⚠️ 化学は「知識量」より「理解の深さ」で差がつく
第112回も知識量よりも理解の深さと応用力で差がつくことが予想されます。「説明できる学習」を徹底して取り組みましょう。
化学は他の科目より早めに着手する受験生が多い科目です。参考書を読むだけでは問題が解けないため、理解したらすぐ問題を解いて「知識の使い方」を身に付けることが重要です。
4〜6月
化学の基礎(酸塩基・立体化学・芳香族性・骨格名・基礎的な有機反応)を参考書で理解し、理解したらすぐ過去問を解く。「参考書で理解→問題演習」のサイクルを繰り返して、知識の使い方を身に付ける。
6〜8月
生体分子・医薬品の化学など、他科目(生物・衛生・薬理・薬剤)と繋がりの深い内容を学習する。化学の基礎知識との関わりを意識しながら、起こっている反応・作用点となる部分構造・プロドラッグの活性化反応などを深掘りする。
9月以降
他科目(特に医療系科目)の学習が中心になる時期。化学は忘れない程度に定期的な問題演習を続けて、知識の維持を図る。
直前期
王道テーマの最終確認と弱点の潰し込み。受験した模擬試験を見直して新傾向の医薬品の情報も再確認しておく。
# 早期着手
# 理解→即演習のサイクル
# 医薬品化学の深掘り
# プロドラッグの活性化反応
# 科目横断の知識連携
🚀 今すぐやってみよう
① 過去問の理論問題を1題解き、正誤確認だけでなく「なぜそうなるか」を紙に書いて説明してみる
② 頻出医薬品を1つ選び、「骨格名・官能基・作用機序・代謝経路」を紙にまとめてみる
③ 苦手な反応タイプ(求電子置換・求核アシル置換など)を1つ選び、反応や生成物を書いてみる
化学は難しい科目ですが、「王道を確実に取る」だけで他の受験生と大きく差をつけられます。理解の深さを武器に、第112回に臨みましょう!